こんにちは!迅です!
週刊AIニュース、第2号をお届けします。
先週の第1号で「今週は半導体の決算WEEK。ASML(7/15)とTSMC(7/16)が見どころ」とお伝えしました。ふたを開けてみると、結果は両社とも予想を上回るものでした。今日はこの答え合わせを、数字とともに整理します。
① ASML ── 通期見通しを年内2度目の上方修正
最先端の露光装置で世界を独占するASMLの4-6月期は売上が93.3億ユーロと、会社の見通し(84〜90億ユーロ)の上限を超えました。純利益は29.2億ユーロ、粗利率は54.0%。さらに2026年通期の売上見通しを430〜450億ユーロへ引き上げています。これで今年に入って2度目の上方修正です。CEOのフーケ氏は「AI投資の継続が先端ロジックとメモリの需要を牽引している」と述べ、2027年に必要な受注はほぼ揃い、2028年分の受注もすでに積み上がっていると明かしました。
第1号で「ASMLは受注を見るべき」とお伝えしましたが、答えは受注の一撃ではなく、2年先まで埋まりつつある受注残でした。1台で数百億円の装置を2028年分まで先に押さえる。この長い時間軸こそ、AI投資が一過性でないことの何よりの証拠です。
② TSMC ── 過去最高益、利益は前年比プラス77%
世界の先端チップの大半を製造するTSMCの4-6月期は売上が402億ドル(約6.4兆円)で前年同期比プラス36%、純利益は前年同期比プラス77%と、いずれも四半期として過去最高でした。粗利率は67.7%。売上の66%をAI・高性能計算(HPC)向けが占め、次世代の2ナノは今四半期に初出荷を迎えています。会社は2026年の設備投資を最大640億ドル(約10兆円)へ引き上げ、通期の成長率見通しも「40%超」へ上方修正しました。CEOのウェイ氏は「AIが数年続くという確信は非常に高い」と語っています。
前年比プラス77%という伸びが、AI需要のまだ加速の途中にあることを物語ります。しかも設備投資をさらに10兆円規模へ積み増す。作っても作っても足りない、という状態が続いています。TSMCが強気であるほどその先にいるNVIDIAやAppleといった顧客の需要も強い、と読み替えられます。
③ ボトルネックは「露光」と「パッケージ」へ
ASMLは2027〜2028年分のEUV(最先端の露光装置)受注を先に積み上げ、TSMCは2ナノの立ち上げと、複数のチップを1つにまとめる先端パッケージ(CoWoS)への投資を強めています。両社のお金が向かう先は、そろって製造キャパそのものでした。
AIの制約はモデルの賢さでも、GPUの数だけでもありません。それを実際に「刻んで組み立てる」最先端の製造能力が足りるか、に移りつつあります。次にAI関連のニュースを見るときは、EUVとCoWoSという2つの言葉を頭の隅に置いてみてください。どこが渋滞しているかが見えると、次に効いてくる会社が見えてきます。
それではまた来週。
ばいちゃ!
柏原迅 / AI企業ラボ
※このメールは情報提供を目的としたものであり、個別の投資助言ではありません。

