【決算速報】Amazon・Apple 2026年4〜6月期|AI投資を本業で回収できているか

こんにちは!迅です!

実はこの会社、過去のYouTubeでも取り上げています決算だけ見ても分かりにくいので、事業の中身はこちらが早いです。

Amazonはネット通販を入口に、物流、広告、会員サービス、クラウドを広げた会社です。利益の重要な柱が、企業へ計算資源を貸すAWSです。Appleは端末、基本ソフト、半導体、サービスを一体で設計し、利用者を自社の生態系へつなぐ会社です。両社とも人工知能を成長に使いますが、Amazonはデータセンターへ巨額の設備投資を行い、Appleは端末と外部基盤を組み合わせます。同じ売上成長でも、資金の使い方と回収経路が正反対です。

ここがポイント

AmazonとAppleが同じ日に決算を出しました。

どちらも過去最高です。ただ、僕がこの2社を並べて面白いと思ったのはそこではありません。AIへの立ち位置が正反対だからです。

Amazonは3カ月で542億ドル(約8.88兆円)の設備を買いました。Appleは9カ月かけて68億ドル(約1.11兆円)です。これだけ差がありながら、両方とも売上は過去最高でした。

3行にするとAmazonは投資の回収がAWSに出はじめた。成長37%は18四半期で最高Appleはそもそも大きく投資していない側。端末とサービスだけで6月期の過去最高ただしAmazonの直近12カ月のフリーキャッシュフローは76億ドルの赤字。売上の回収と現金の回収は別物
2026年4〜6月期 / Amazon+37%AWSの成長率18四半期で最も高い成長率。
図 12026年4〜6月期 / Amazon18四半期で最も高い成長率。

抑えておきたいCEOの発言

Andy Jassy CEO(Amazon)アンディ・ジャシーCEOは2026年7月30日の公式決算リリースで、AWSが36.7%成長し、AI事業と半導体事業がそれぞれ年換算250億ドル(約4.10兆円)を超えたと話しています。2026年7月30日付 公式決算リリース
Tim Cook CEO(Apple)ティム・クックCEOは2026年7月30日の公式決算リリースで、iPhone・Mac・サービスと全地域が2桁成長し、6月期として過去最強の四半期だったと話しています。2026年7月30日付 公式決算リリース

同じ四半期を語っているのに、Jassyは「AIがいくらの事業になったか」を挙げ、Cookは「全地域で伸びた」を挙げています。何を成果とみなすかが、この2社では違います。ここから数字で確かめていきます。

Apple|大規模な設備投資をせず、端末とサービスで成長

Apple|大規模な設備投資をせずに伸ばした今期判定売上高940億ドル1,094億ドル+16%EPS1.57ドル2.02ドル+29%iPhone売上446億ドル543億ドル+21.7%Services売上274億ドル307億ドル+12.1%
図 2Apple|大規模な設備投資をせずに伸ばした売上とEPSは6月期として過去最高。巨額のデータセンターを持たず、端末とサービスから利益を出しています。
3行にすると売上は1,094億ドル(約17.92兆円)で前年比16%増、EPSは2.02ドルで29%増iPhoneは21.7%増、Servicesは12.1%増、中華圏も22%増売上とEPSは6月期の過去最高。AI投資の回収より、既存の端末基盤が強い決算
指標2025年4〜6月期2026年4〜6月期判定
売上高940億ドル(約15.40兆円)1,094億ドル(約17.92兆円)強い
EPS1.57ドル2.02ドル強い
iPhone売上446億ドル(約7.30兆円)543億ドル(約8.89兆円)強い
Services売上274億ドル(約4.49兆円)307億ドル(約5.03兆円)強い
僕はこう見ています

「投資していないから強い」と読むのは早いと思っています。いま効いているのはiPhoneと中華圏で、AIはまだ数字に出ていません。開示もされていない。端末が強いうちにAIをどこへ置くか、その答えが見えるのは次の四半期以降です。

Amazon|巨額投資の回収がAWSに表れ始めた

3行にすると売上は2,006億ドル(約32.86兆円)で前年比20%増、営業利益は275億ドル(約4.50兆円)で43%増AWSは422億ドル(約6.91兆円)で37%増。18四半期で最も高い成長率四半期の設備購入は542億ドル(約8.88兆円)。投資負担で直近12カ月のフリーキャッシュフローは76億ドル(約1.24兆円)の赤字
この記事の流れ(全6章・約6分)
指標2025年4〜6月期2026年4〜6月期判定
売上高1,677億ドル(約27.47兆円)2,006億ドル(約32.86兆円)強い
AWS売上309億ドル(約5.06兆円)422億ドル(約6.91兆円)強い
営業利益192億ドル(約3.14兆円)275億ドル(約4.50兆円)強い
AWS営業利益102億ドル(約1.67兆円)166億ドル(約2.72兆円)強い
指標2025年4〜6月期2026年4〜6月期判定
売上高1,677億ドル(約27.47兆円)2,006億ドル(約32.86兆円)強い
AWS売上309億ドル(約5.06兆円)422億ドル(約6.91兆円)強い
営業利益192億ドル(約3.14兆円)275億ドル(約4.50兆円)強い
AWS営業利益102億ドル(約1.67兆円)166億ドル(約2.72兆円)強い
四半期の設備購入322億ドル(約5.27兆円)542億ドル(約8.88兆円)投資拡大

数字で確かめる

AmazonはAI設備投資の成果をAWSの売上で示しました。AWSの37%成長は前四半期の28%から加速し、営業利益も63%増えています。一方、直近12カ月の設備購入は1,730億ドル(約28.34兆円)に達し、フリーキャッシュフローは前年の182億ドル(約2.98兆円)の黒字から76億ドル(約1.24兆円)の赤字へ転じました。投資回収は始まっていますが、現金収支まで追いついたとは言えません。

純利益626億ドル(約10.26兆円)とEPS 5.75ドルには主にAnthropicへの投資から生じた税引前534億ドル(約8.75兆円)の評価益が含まれます。事業の実力を見る際は純利益より営業利益とAWSの伸びを優先します。

僕はこう見ています

AWSの37%は本物です。前の四半期が28%だったので、加速もしています。ただ、現金はまだ出ていきっぱなしで、直近12カ月のフリーキャッシュフローは赤字に転じました。回収が始まったのは売上であって、現金ではありません。ここを分けてみるかどうかで、この決算の評価は変わります。

構造で見るとこうなっている

投資した側と、していない側今期判定Apple 売上高940億ドル1,094億ドル強いApple iPhone売上446億ドル543億ドル強いApple Services売上274億ドル307億ドル強いAmazon 売上高1,677億ドル2,006億ドル強いAmazon AWS売上309億ドル422億ドル+37%
図 3投資した側と、していない側Amazonは投資の回収がAWSに出はじめた。Appleはそもそも大きく投資していない側。

今週の決算は「AIにいくら使ったか」の話ではありませんでした。使ったお金が、どの蛇口から戻ってくるかの話です。7月30日に出た6社(SoFi・Microsoft・Meta・Robinhood・Arm・Vertiv)にAmazonとAppleを足すと、回収の経路が3つに分かれます。

Meta と Amazon は自前の需要で回収する側です。Metaは自社の広告、AmazonはAWSという自社のクラウド。稼ぐ場所を自分で持っています。一方で Microsoft と Arm は他社が使う分から回収します。Microsoftはクラウドの需要、Armは半導体設計の利用拡大。Vertivも同じで、データセンターを建てる他社の設備投資が売上になります。また面白いのが Apple です。そもそも大きな蛇口を作っていません。巨額のデータセンターを持たず、端末とサービスから利益を出しています。

「AI投資は一律に正当化された」という結論にはなりませんでした。AmazonではAWSの加速が投資を支え始めた一方、フリーキャッシュフローは赤字です。Appleでは既存事業が伸びていますが、AI単体の回収額はまだ開示されていません。

次に見ておきたい数字

次に見ておきたい数字Meta と Amazon は自前の需要で回収すMetaは自社の広告、AmazonはAWSという自社のクラウド。稼ぐ場所を自分で持っています。一方で Microsoft と Arm は他社がMicrosoftはクラウドの需要、Armは半導体設計の利用拡大。Vertivも同じで、データセンターを建てる他社のまた面白いのが Apple ですそもそも大きな蛇口を作っていません。巨額のデータセンターを持たず、端末とサービスから利益を出しています。
図 4次に見ておきたい数字

この四半期から持ち帰るものを3つに絞ります。

① 売上の回収と現金の回収を分けてみる。AWSが37%伸びても、直近12カ月のフリーキャッシュフローは76億ドル(約1.24兆円)の赤字です。同じ決算が、見る指標で正反対に読めます。② 純利益ではなく営業利益を見る。Amazonの純利益626億ドル(約10.26兆円)には主にAnthropicへの投資から生じた税引前534億ドル(約8.75兆円)の評価益が入っています。事業の実力とは別物です。③ 次の四半期で見る点を先に決めておく。Amazonはフリーキャッシュフローがプラスへ戻るか。AppleはAIの収益貢献を開示してくるか。この2つが確認の材料になります。

次の決算

次は日本時間8月4日早朝のPalantirです。AIソフトウェアが顧客企業の予算をどこまで取り込めているかを確認します。その後は8月6日のIonQで、研究開発段階の量子企業が受注と売上をどう積み上げているかを見ます。

※本記事は情報提供・教育を目的としており、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の数値・計画・提携内容は発表後に変更される可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

ばいちゃ!

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