NVIDIA決算プレビュー|売上85%増の次に会社が置いた「910億ドル」をどう読むか【8月27日】

NVIDIAは2027年度第2四半期の決算を米国時間8月26日の取引終了後(午後2時、太平洋時間)に発表します。日本時間では8月27日の午前6時です。AI関連の決算の中で、今回も最も注目が集まる1本になります。理由は前回の数字にあります。売上は前年同期比85%増、その中心であるデータセンター部門は92%増でした。この規模の会社がこの速度で伸びたこと自体が異常で、8月27日の朝はその伸びが続いているのかを世界中が確かめにいく時間になります。

前提|NVIDIAは何の会社か

AIの計算を担う半導体、GPUを設計する会社です。GPUは人間でいえば「頭の回転」を受け持つ部品で、ChatGPTのようなAIを学習させるときも、質問に答えを返すときも、この計算を大量にこなす必要があります。AIデータセンターを新しく建てるとき、費用の中心を占めるのがこのGPUで、今はその大半をNVIDIAが押さえています。

だから前回の売上816億ドルのうち752億ドル、約92%がデータセンター部門でした。もともとゲーム用のグラフィックスで知られた会社です。ただ今のNVIDIAの数字を読むときはデータセンターがほぼすべてだと考えて差し支えありません。言い換えると、NVIDIAの決算は一社の成績表というより、世界のAIデータセンター建設がどの速度で進んでいるかを測る温度計になっています。

前回(2027年度第1四半期)の数字

2027年度第1四半期は2026年4月26日までの3カ月です。公式の決算リリースとCFOコメンタリーで確認できる数字を並べます。円換算は1ドル=158円です。

指標前回実績前四半期比前年同期比
売上816億1,500万ドル(約12兆8,952億円)20%増85%増
データセンター売上752億4,600万ドル(約11兆8,889億円)21%増92%増
粗利率(GAAP/非GAAP)74.9%/75.0%ともに0.1ポイント低下14.4ポイント上昇/14.2ポイント上昇
希薄化後EPS(GAAP/非GAAP)2.39ドル(約378円)/1.87ドル(約295円)36%増/18%増214%増/140%増

注目したいのが粗利率です。売上を1年で85%増やしながら、粗利率は前の四半期からほぼ横ばいの74.9%を保ちました。粗利率は売上から製造原価を引いた残りの割合で、商品の値付けの強さを表します。数を増やすために値引きをしていない、という状態です。EPS(1株あたり利益)も前年同期比で2倍を超えました。

会社が自分で置いた今回の見通し

NVIDIAは前回の決算で、第2四半期の売上を910億ドル(約14兆3,780億円)、プラスマイナス2%と見込みました。金額にすると891億8,000万〜928億2,000万ドル(約14兆904億〜14兆6,656億円)です。前回実績の816億ドルから、中心値で約11.5%の伸びになります。前四半期比20%増だった前回より伸び率は下がるものの、これは会社自身が置いた数字で、成長が止まるという意味ではありません。

もう一つ、この見通しには中国向けデータセンター計算製品の売上が含まれていません。会社は中国向けを見込まずに910億ドルを出しています。中国抜きでこの数字、という前提で読む必要があります。粗利率の見通しはGAAPで74.9%、非GAAPで75.0%、ともにプラスマイナス0.5ポイントです。売上を1割以上増やしながら75%前後を守る、と会社が自分で宣言している形です。

8月27日朝に見るべき3点

確認するのは次の3点です。ここでは「何を・なぜ見るか」までにとどめ、どこからが強くどこからが弱いかという具体的な線はラボの予習で引いています。

#確認ポイントなぜ重要か
1売上がレンジのどこに着地したか会社の見通しは891億8,000万〜928億2,000万ドル。上限を超えれば、中国向けを見込まない条件でも会社の想定以上に需要を取り込んだことになる。レンジ内なら失敗ではない
2データセンター売上の前四半期比全社売上の約92%を占める部門で、前回は21%増。部門別の見通しは会社から出ないので、実績で確かめるしかない。周辺事業ではなくデータセンターが全社を引っ張れているか
3次四半期ガイダンスと粗利率の両立株価を動かすのは過去の数字ではなく未来の数字。売上だけ伸びて粗利率が崩れれば成長の質は落ちる。75%前後を保ったまま増収を示せれば、供給拡大と収益性が両立していると読める

当日の読む順番

まず決算リリースで売上を開き、891億8,000万〜928億2,000万ドルのどこに着地したかを見ます。次にCFOコメンタリーでデータセンター売上を確かめ、前回の752億4,600万ドルからどれだけ伸びたかを前四半期比で押さえます。最後に次四半期の売上見通しと非GAAP粗利率を並べ、増収と75%前後の収益性が続くかを見ます。この順番なら、見出しの「予想を上回った」「下回った」に振り回されずに自分で読めます。

結果が出たら、当日中に答え合わせ(決算速報)を掲載します。この記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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