光電融合の米国銘柄マップ|NVIDIAが1兆円を投じた「光」を役割で読む【2026年版】

光電融合という言葉を、NTTのIOWN構想で知った方が多いと思います。ただ、それだと今の主戦場を見誤ります。2026年、この分野で最も大きなお金が動いているのはアメリカです。NVIDIAがこの1年で光関連企業へ行った出資を積み上げると、確定分だけで65億ドル(約9,750億円)、オプションまで含めると最大97億ドル(約1.5兆円)に達します。

この記事では光電融合(シリコンフォトニクス/CPO)の米国銘柄を「役割」で整理します。個別の売買推奨ではなく、決算を読むための地図としてお使いください。

なぜ今、光なのか

AIの計算はGPUの数を増やすほど、チップ同士をつなぐ配線がボトルネックになります。銅の配線は速度を上げるほど発熱し、距離が伸びるほど遅延します。そこで電気信号を光に置き換える技術が光電融合で、その最前線がCPO(コパッケージド・オプティクス)、光の変換器を計算チップのすぐ隣に同居させる実装方式です。

重要なのは2026年にこの技術が「発表」から「出荷」へ変わったことです。NVIDIAの光スイッチQuantum-X PhotonicsはGPUクラウドのLambdaが6月に本番導入し、BroadcomのCPOスイッチTomahawk 6 Davissonは出荷中。TSMCの光電融合パッケージCOUPEは2026年後半の量産が見込まれています(公称で電力効率5〜10倍)。出荷が始まると、部品と素材の実需が立ちます。

米国銘柄マップ|役割で読む

役割企業押さえる事実
光を生むLumentum/CoherentNVIDIAが各20億ドル(約3,000億円)を出資。複数年の購入コミットメント付き
信号を整えるMarvellNVIDIAが20億ドルを出資。光DSPの中核。Celestial AI買収で光接続を強化
束ねて切り替えるBroadcomCPOスイッチを出荷中。AI半導体売上108億ドル(前年比+143%)の約4割がネットワーキング
光の通り道CorningNVIDIAと長期提携(5億ドル+最大32億ドルのオプション)。光接続の製造能力を10倍へ
組み立てるFabrinet経営陣が「需要リスクではなく供給制約を管理している」と説明する逼迫ぶり
接続に特化Astera LabsGPU間接続の専業。光チップレット企業の買収でCPOへ参入
素材(基板)AXT光を生むレーザーの土台「リン化インジウム基板」でシェア約36%。生産は中国子会社

地図の一番底に「素材」がある

この供給網の最上流に、リン化インジウム(InP)という素材があります。シリコンは光を出すのが苦手なため、光を生むレーザーの土台はこの基板でしか作れません。そして2026年7月、CoherentのCEOジム・アンダーソンが「業界として、リン化インジウムの生産能力を使い果たした」と語りました。世界シェアは住友電工が約42%、AXT系が約36%、JX金属が約13%。実は日本の2社が過半を握っています。

僕の見立て

光電融合は「どの1社が勝つか」を当てるゲームではなく、役割ごとに要衝が決まっているサプライチェーンです。NVIDIAの出資が購入コミットメント付きである事実は需要の裏書きと読めます。次の確認ポイントは8月の決算ラッシュ、8月11日のLumentum、8月中旬のCoherentで、「尽きた」という言葉が数字になって現れるかを見ます。

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